晩年のアレクは、海外にも進出した。ある時はあんみつ
姫の代役をし、またある時は忍装束に身を包んだりもし
た。だが、日本以上に有名になったソニック・ザ・ヘッ
ジホッグの前には、成す術もなかった。
そしてアレクの存在は、多くのセガユーザーの記憶の中
からも、次第に消えていった。メーカーであるセガ側で
も、現在の所アレクを主役としたゲームを作る意向は全
くないと思われる。コンシューマ界6作品、アーケード
界1作品、これが20世紀にアレクが主役となって活躍
した舞台の全てである。
マリオに幾度となく戦いを挑み、そして敗れた、いや、
相手にもされなかったと思われる悲運の男、アレク。ど
こかドン臭く、どこかズレていて、それでいてどこか憎
めなかった男、アレク。彼の魂は、もう二度と蘇らない
のだろうか?そして、21世紀には、もう彼がゲーマー
の前に姿を現す事はないのであろうか?
いや、アレクの存在は今でも一部のセガファンの心の中
で生きている。そしてアレク自身も、きっと世界のどこ
かでひっそりと生息し、いつか再びやってくると信じて
いる出番を待ち続けている事だろう。マリオと勝負し、
そして勝利するまでは、彼の人生に終わりはあり得ない
のだから。
そう、アレックス・キッド・オサールの魂は永遠に不滅
なのだ。そして、アレクファンの魂もまた、決して死ぬ
事はないのだ。恐らく、今でもきっとどこかで誰かが、
このテーマソングを口ずさんでいる事であろう。
それゆけ それゆけ
元気いっぱい アレク・・・
アレックス・キッド・オサール 〜マリオを生涯のライバルと決めた男〜
完
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