「凄い」ゲームは面白いのか
最近、ネット仲間からよく「買ったはいいが遊んでいな
いゲームがある」という話を耳にする。奇妙な話だ。折
角何千円という金を払って入手したソフトを、押入れの
肥やしにしてしまうのだ。かくいう私も、そういうソフ
トが増えている。「いつかはやろう!」と思ってはいて
も、多分実際にプレイする確率は極めて低い。何故そう
いう現象が起きるのだろうか?答えは極めて簡単。ゲー
ムが増えすぎたのだ。雑誌などで「面白い!」と紹介さ
れた物は、やはり気になる。で、実際に買ってしまう。
更にその後、また別の「面白い!」と紹介されたソフト
が気になり・・・といった形で、どんどん増えてしまう
のだ。

しかし、折角買ったのだから遊ぼう、と思ってゲームを
起動させても、ろくにプレイせずにまた封印してしまう
ケースもかなりある。これは何故だろうか?ゲーム自体
の出来が悪いからだろうか?いや、世間で名作と呼ばれ
たゲームにも、そういった傾向は見られる。では、一体
何故・・・?

理由は一つである。「凄い」ゲームが多いからだ。例え
ば、RPGを例に取ってみよう。さあやるぞとゲームを
起ち上げる。オープニングムービーが流れる。最近のゲ
ームは少なく見ても約2分はかかる。音楽もムービーも
かなりハイレベルで「凄い」。次にオープニングストー
リー。長く重厚なシナリオで「凄い」。そしてゲームシ
ステム。今までにない斬新さで、マニュアルの解説も数
ページに渡る程「凄い」。更にプレイ時間。マニュアル
を見ると最低でも50〜60時間かかるらしいので、や
はり「凄い」。・・・これでは、まともにプレイする前
に疲れてしまうのではないだろうか?しかも、はたと周
りを見渡すと、「いつかプレイするつもり」のゲームが
多数積まれており、ゲーム情報誌には期待の新作がずら
りと。しかも、どれも「凄そう」なゲーム・・・。いつ
しか、楽しむ為にプレイしていた筈のゲームが、ノルマ
達成の為の作業になっている・・・。これでは、大抵の
人が投げ出すのではないだろうか?

クリエイターが自信を持って制作したゲーム。それは、
本当は名作なのかも知れない。しかし、その面白さをユ
ーザーに理解して貰う前に投げ出されてしまって、2度
とプレイして貰えなければ、扱いはつまらな過ぎてプレ
イして貰えない駄作と同じだ。買っても遊んで貰えない
という事は、クリエイターとしても悲しい事だと思う。
私は、最新技術を否定するつもりは毛頭ないが、クリエ
イターの皆さんには、現在、「凄い」ゲームが増えすぎ
ているという点を、もう少し考慮して欲しいと思う。


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