3D表現のゲーム
現在のゲームソフトの傾向は、過去のそれと比較すると
大きく異なる。その理由の一つに、従来のゲームの主流
であった2D表現が、3D表現へと移り変わって来た事
が挙げられる。確かに画像表現的に見ても、物体を立体
的に表現出来る事は凄い事である。また、そういった処
理を施す為のマシンパワーも向上して来ている。3D表
現が主流になるのは当然の事であろう。

だが、それによって2D表現のゲームが少なくなって来
ている事も事実である。ハード自体、2D表現を切り捨
てた設計の物さえある。果たして、2D表現のゲームの
時代は、終わってしまったのであろうか?

結論としては、「否」であると思う。と言うより、2D
表現のゲームが、完全に発売されなくなる事は絶対にあ
り得ない事であると思う。何故ならば、2Dの画面を映
し出す事しか出来ないTVモニターを使用する以上、キ
ャラクターを完全に立体的に見せる事は、事実上不可能
であるからだ。3D表現のゲームは、技術的以前に、論
理的に不可能な事に挑戦していると言える。となると、
本来の姿である2D表現のゲームが完全に滅びてしまう
という事は、考えにくい。

また、いくら3Dが主流になったと言っても、3D表現
の技術が頂点に達しているという訳ではない。3D表現
のゲームが一般的に認知される様になったのは、やはり
セガサターンとプレイステーションが発売されてからで
あろう。僅か5年しか経過していないのだ。ちなみに2
D表現のゲームは、一般的に認知されたのが、ファミリ
ーコンピュータのスーパーマリオブラザーズからだとし
て、少なく見ても10数年の歴史がある。要するに3D
表現のゲームは、まだまだ発展途上の段階なのだ。

「2Dのゲームと3Dのゲーム、どちらがいいか?」と
いう質問をされる事がたまにあるが、今の段階で結論を
出す事は、私には出来ない。ほぼ完成された技術と発展
途上の技術を比較すれば、前者の方が優れているに決ま
っている。また、「これからは3Dの時代。2Dなんて
時代遅れだ!」という意見にも賛同出来ない。ここまで
発展してきた技術を、どうして捨てる必要があるのだろ
うか?私は、今後の3D表現の更なる発展と、決して滅
びる事のないであろう2D表現の今後の姿に、期待した
いと思う。

ただ、3D表現を考える上で、本当の意味で3D表現を
実現させた唯一のハード、「バーチャルボーイ」の発展
が、今後はもう望めそうもないという事は、個人的には
非常に残念だ。横井軍平氏は、本当に偉大なクリエイタ
ーだった・・・。氏の思想を受け継ぐクリエイターは、
もう現れないのだろうか?


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