アレックス・キッド・オサール
〜マリオを生涯のライバルと決めた男〜
(その3)
アレクには、もはやコンシューマ界ではマリオに勝利す
る要素はどこにもなかった。そこでアレクは、新たに別
の土俵で勝負をかけようとした。

「アーケード界に進出だ!」

アレックスキッド ザ ロストスターズ

アレクはこの作品で、第二の人生を歩み始めた。また、
この作品でアレクのヒロインが初登場した。2Pキャラ
のステラである。

「マリオにはピーチ姫がいる。
 だから僕にだってヒロインがいてもいいよね。
 でも、ただ助けられるのを待っているヒロインは、
 つまらないよ。
 やっぱり僕のパートナーとして、
 いつも一緒にいてくれないと。」

ゲーム中に登場するステラは、正にアレクのベストパー
トナーとばかりに、常にアレクと一緒に行動していた。
このゲームがヒットすれば、アレクはいつまでもステラ
と一緒にいられる・・・そう思っていた。

しかし、このゲームはヒットしなかった。あまりの高難
易度で、腕に覚えのあるプレイヤーですら挫折してしま
う程であったが故である。この作品の不評が原因だった
のか、結局アレクのアーケード界での活躍は、この作品
の出演のみに終わってしまった。

そしてアレクは、再びコンシューマ界に帰って来た。も
う一度マリオと戦う為に。

「やはり僕は、
 各家庭で愛される様なキャラクターを、
 目指すべきだったんだ。
 そう、マリオの様に。」

アレックスキッド ザ ロストスターズのマーク3版の
発売である。1988年3月10日の事であった。

アーケード版の失敗の原因は、難易度にあった。そこで
マーク3版は、ゲームがあまりうまくない子供達でも、
気軽に遊べる様に仕様を変更した。

しかしそれでも、マリオを脅かす存在にはなりえなかっ
た。既にこの時期、スーパーマリオブラザーズ3の発売
が発表されており、もはや完全に手の施し様がなかった
のだ。

だが、その事以上にアレクが大きく落胆する事実があっ
た。何と、アーケード版ではアレクのベストパートナー
として活躍していたステラが、マーク3版では一切登場
しなかったのだ。

「僕は、ステラれたんだ・・・。」

アレクの強烈なオヤジギャグが炸裂した・・・。

マリオに勝つどころか、殆どのゲーマーに認知される事
すらかなわないアレク。何故これ程にまで苦戦するのだ
ろうか?散々考えた末、アレクは一つの結論を出した。

「ソフトが悪いんじゃない。
 ハードに限界があったんだ。」

マーク3ではなく、次世代セガハード、メガドライブな
らば、きっとマリオにも匹敵するゲームとして生まれ変
わる、アレクはそう考えたのだ。そしてアレクはこの作
品で、メガドライブに登場した。1989年2月10日
の事である。

アレックスキッド 天空魔城

アレクはこの作品で、原点であるミラクルワールドの面
白さを再現しようとした。命を賭けたジャンケン対決も
復活させた。マリオファンを振り向かせ、アレクファン
も納得するゲームにしようと努力した。

だが、この作品もまた不本意な結果に終わる事になる。
メガドライブ初期の作品という事で、まだプログラマー
がハードの性能を生かしきれず、開発期間も短かった為
に、満足なゲームに仕上がらなかったのが原因である。
マリオファンを振り向かせる事どころか、数少ないアレ
クファンにも、「ミラクルワールドの方が面白かった」
と言われる始末であった。

その後、アレクの勇姿をメガドライブで見る事は2度と
なく、アレクに変わる新しいセガのマスコットキャラク
ター、ソニック・ザ・ヘッジホッグの登場と共に、とう
とうアレクはセガの歴史から「いなかった事」にされて
しまったのである。

(その4へ続く)



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